納期と品質、快適な職場を守り続ける
私は滋賀工場で変成シリコーンという製品の生産工程管理を行っています。この業務は名称の通り、生産工程全体に目を配り、決められた品質や納期を守ることが責務となっています。ただそこにはいつも難問がつきものです。特に滋賀工場で生産する製品は、受注から納入までのリードタイムが短く、発注を受けたその瞬間からいかに間に合わせるかの格闘が始まります。工程をやりくりし、そこにしかるべき人員を配置し、作業の無駄をなくして、効率を上げるにはどうすればいいか、それらを解決していくことが生産工程管理に任された仕事です。
それと同時に現場作業員の皆様が働き甲斐を持てる環境を実現しながら、ワークライフバランスの良い職場にしていくことも大切な業務となっています。
滋賀工場は製造する品種が多いため、期日に間に合わせるには大変苦労しますが、そこで大きな力を発揮しているのがスタッフ全体のチームワークです。お客様のニーズにお応えできるよう気持ちを一つにして頑張っている中で素晴らしい仲間意識が生れています。
何かあったらお互いが助け合える仲間がいることも私のいる職場の魅力になっています。
安全と無事故の大切さを痛感する
仕事には品質や納期などお客様に対して守らなければならない要素があります。しかし実はそれ以外にも忘れてはいけないものがあるのです。私は今もそのことを痛感しています。
今から20年ほど前、まだ入社して間もない頃でした。その頃、私は現場作業員として働いていました。仕事も少しずつ覚えてきた頃です。なんとなく慣れてきたという意識がきっと油断を生んだのでしょう。作業中に事故を起こしてしまったのです。結果的に入院に2ケ月、リハビリに2年を要する重傷を負いました。
そういった事故が起こる当日も工場のいたるところに掲げている「安全」という文字は目に入っていました。また職場全体が「無災害記録」に挑戦中だったことも認識していました。しかし、それでも注意が欠如していたのでしょう。自分のためにその記録更新は断たれてしまったのです。入院生活で自分自身を責める日々が続きました。そんなときに心の支えとなったのは、毎日のように見舞いに来てくれる工場の仲間や上司でした。私の不注意で起きた事故であったにも関わらず、上司は「自分の管理が行き届いていなかったせいでキミに大怪我をさせてしまった」と涙を流しながら、詫びていました。本当に申し訳ない限りでした。
事故で得た教訓を活かし、現場を改善
経験をすることで私は安全に対する意識を強く持ちながら、今、生産工程管理の業務に携わっています。ときには自身の体験を語りながら、どうすれば労働災害が起きないかを指導することもあります。またスタッフの意識の問題だけではなく、事故が起きないような設備の改善にも取り組んできました。現在は“ケガをしようと思ってもできない”現場ができ上がっています。
20年前のあの事故は今、振り返れば私に素晴らしい教訓を与えてくれました。長い入院生活で理学療法士(リハビリ専門医)として私を担当してくれたのが現在の妻です。先日、家族と出かけたときのことです。横断歩道を渡った際につい「指差し呼称」をしてしまいました。いっしょにいた子どもも妻も笑っていました。こんな幸せの一コマを感じることができるのも、今日も1日、無事故だったからです。
【ある一日のスケジュール】
- 8時30分 現場巡回、朝礼
- 9時30分 日報確認、工程確認
- 13時 現場巡回
- 14時 工程計画
- 15時 コスト検討会
- 16時 工程管理表準備と指示